国際協力のキャリア情報で足らない部分とは

~2022年に届けたい「ステップの情報」とは何か?~

キャリアステップの情報が少ない

国際協力のキャリア情報誌の編集長時代に、多くの人たちから話を聞く中で気づいたことは、学生から国際協力の実務者になるまでの情報が少ないということだ。特に、ロールモデルといった「個」に着目した情報ではなく、国際協力の世界全体を俯瞰したキャリアパスの情報が少ないのだ。

例えるなら、国際協力のキャリア情報を「ホップ、ステップ、ジャンプ」で括った際に「ホップ」と「ジャンプ」の情報はあるが、間の「ステップ」に値する情報が少ないなということだ。

なので、ホップする人(国際協力に関心を持つ人)は一定数いるが、ジャンプ(実務に就く)できずに、そのキャリアを諦める人が多いのかもしれない。

では、ホップ、ステップ、ジャンプの情報とは何かだが、例えば「ホップ」の情報とは、「学生団体」「インターン」「スタディツアー」といった学生でもできる国際協力関連の活動情報だろう。この手の情報は、大学やサークルの先輩など身近な存在も経験談を発信しているし、数多く存在している。実際、自分自身も所属大学のスタディツアーの情報を見て、「これだ!」と思い、大学2年の夏にルワンダに渡航した。

まさに、ホップの情報に触れて、現地渡航というアクション(ホップ)に至ったのだ。

キャリアの再現性と埋もれる採用情報が課題

次に「ジャンプ」の情報とは何かと言えば、現在、国際協力に従事している人たちのキャリアストーリーや具体的な採用情報だろう。この情報もさまざまなメディアで発信されているし、国際協力のキャリアイベントなどでも語られている。

ただ難しいところは、例えばキャリアストーリーに触れた時は感化されるのだか、そのストーリーを自分自身で再現しようとした際に、具体的に何をしていいのかわからなくなる。また、採用情報においては各企業・団体が発信しているが、知名度のある組織や発信力がある組織でないとそもそも見つけられないというところだ。

仮に職種別(国連職員、JICA職員、NPO職員など)などで絞って情報を探していけば、それぞれの情報にはヒットするのだが、いかせん国際協力の世界は職種も多いし、それに加えて分野や対象地域も幅広い。これら3つの項目とも自分にピッタリ当てはまる情報は一体、どこにあるのか、探しているだけで疲れ果ててしまうのかもしれない。

よく自分も含めて国際協力の実務者の人たちは「国際協力業界は狭いからね~」と口にすることが多いし、実際その通りなのだが、こと「情報」に関しては事情が違う気がする※。

※この文章を書きながら「実は、情報を探り当てた人たちが集まっているから『狭い』と感じているのかもしれない」と思った。これも不思議なので、今後も追求していけば何かつかめるかもしれないと考えている。

思いとキャリアの間をつなぐ俯瞰した情報

そこで、大事になってくるのが「ステップ」の情報だろう。これは何かと言うと、国際協力に関心のある人たちの「思い」と、実際の「キャリア」をつなぐための国際協力の世界全体を俯瞰した情報のことだ。

その情報も決して1つだけではなく、国際協力における職種別のキャリア形成の仕方やメリット、デメリットだったり、専門分野や大学院の選定方法だったり、国際協力に関わる求人情報の調べ方など、具体的に動き出すのに必要な「情報群」でないといけない気がする。

なので、こうした情報を2022年は整理して発信していこうと思う。

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