これから重宝されそうな人材像

今「国際協力」のキャリアを考える際に注目すべきことは、これまでの “貧困をなくす” などの国際協力を行う担い手が変化しているということです。これは資金の流れをみると分かるのですが、かつては開発途上国と呼ばれる国々への資金は政府など(日本でいえば外務省やJICA)の公的資金(≒ODA:政府開発援助)が80%でしたが、今やそれらの国々へ流入している資金の80%は民間資金なのです。

これは、2019年8月末に横浜市で行われた「アフリカ開発会議(TICAD7)」での安倍首相の発言にも表れていて、「日本政府として、今後3年間で200億ドル(約2兆1000億円)を上回るアフリカ諸国に対しての民間投資の後押しを進めていく」と基調講演で表明したほどです。

では、これからは「国際協力」を民間が担っていくかというと、すべてがそうだとは言い切れないです。やはり、民間ではどうしてもカバーしきれない社会課題は確実に存在するので、その課題解決には公的な援助が必要になってきます。

その点においては、各社会課題の解決に向けた「国際協力」の人材はこれからも必要になってくるでしょう。

SDGsを2つの視点から捉える

では、民間はどうかというと「持続可能な開発目標(SDGs)」を契機に、企業も社会課題の解決を図りながらのビジネスに注目しつつあります。

しかしながら、社会課題の解決を図りながら企業としての利益を生み出していくビジネスモデルは、そう簡単には確立できません。

実際に企業はこれまでにもメセナ、フィランソロピー、エコ宣言そしてCSR(企業の社会的責任)と社会貢献事業は歴史的に行ってきていますが、そのどれもが利益化などは度外視しているものです。それが今SDGsへの取り組みになっており、こうした事業のビジネス化は新たな挑戦であり、今までとは異なる人材が必要になってくるのかと思います。

一方、国際協力サイドから言えば、SDGsの前身には「ミレニアム開発目標(MDGs)」という開発途上国の社会課題に特化した目標があり、全世界的に取り組むSDGsへとシフトしましたが、MDGsからの流れも含まれており社会課題の解決が優先されていると思います。ただし、利益の追求とまではいかないですが、支援対象国ら自身で自走をできる社会制度の設計や援助資金を回収できるインフラ投資などを行っています。

SDGsは国際協力の世界とビジネスの世界を近づける目標(指標)になっていると思いますが、やはり両者が交わりあうことはないと思います。そこで、この国際協力サイドの視点とビジネスサイドの視点を持ち、両方の世界をかけ渡しできる(ブリッジングできる)人材が、今後は重宝されるのではないかと考えています。

また、この人材が社会課題の解決を図りながらのビジネスモデルを生み出せるのではないかと思います。

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